好きな野菜ランキングでも常に上位に入っているトマト。日頃からよく食べられている方も多いと思います。
しかしスーパーや直売所等で購入する際、「何を基準に選んでいいのかわからない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回はトマト農家が考える、トマトの見分け方と旬について書かせていただきたいと思います。
トマトの旬はいつ?おいしい季節は?
トマトの旬と聞いて皆さんはいつだと思いますか?多くの方は夏をイメージされると思います。
なぜ夏なのか?それには日本の四季が関係しています。
日本でトマトを露地栽培する場合、3月頃に種を蒔いて4月から5月に定植、収穫は7月以降が一般的で旬も夏になります。これは日本の冬が寒く、これより前だとトマトが寒さで枯れてしまうからです。
トマトは南米のアンデス高原が原産といわれています。
アンデス高原は年平均気温が20℃近くあり温暖な気候です。トマトの生育適温も10℃~28℃前後のため、日本の冬はトマト栽培には適していません。そのため暖かくなってきた3月頃に種を蒔きます。
しかしこれでは収穫期の温度が30℃を超えてしまい、トマトにとっては暑すぎてしまいます。
このように日本での露地栽培はトマト本来のおいしさを引き出しにくい環境なのかもしれません。
では、日本ではおいしいトマトは食べられないのか・・・・⁉
そんなことはありません!
現在トマトの生産の8割は温室やビニールハウスなどの施設を使って栽培されています。
スーパーに行けば冬でもトマトが並んでいますが、これは施設栽培で生産されたトマトです。施設では加温をするため季節を問わずトマトの栽培が可能ですし、トマトの栽培に適した環境を作ることが出来ます。
しかし施設栽培も万能ではありません。トマトは日射量が多いほど養分を作り、蓄えることが出来ますが、今の技術では日射量のコントロールは難しいです。(LEDなどを使った補光技術も徐々に増えてはいます。)
ここまでのことを考慮して、私が思うトマトの旬は3月から5月初旬です。
春先は徐々に日射量も増え、温度も暑過ぎず寒過ぎずトマトの生育に適した環境を作りやすい季節です。
もちろん夏の露地トマトも美味しいですが、ぜひ春のトマトも試して頂ければと思います。
おいしいトマトの見分け方
おいしいトマトの見分け方には以下のものがあります。
- スターマーク
- ヘタが萎れていない
- 赤い
- 重みがありどっしりしていて、形が丸い
- グリーンベース
順に解説していきたいと思います。
スターマーク
スターマークはトマトのお尻部分に放射状に出る白い線です。甘いトマトほど濃くはっきりとした線で現れます。
栽培の際に水分を極力与えずにつくるフルーツトマトなどははっきりと出ているので、甘いトマトが食べたい方はご参考にしてください。
ヘタが萎れていない
収穫直後のトマトはヘタがピンとしていて緑色をしています。しかし収穫から時間がたつとヘタが萎れて茶色っぽく変色してきます。
鮮度の確認をする際はヘタを確認してください。
赤い
完熟しているトマトは赤い色をしています。しかい季節や産地によっては緑色のまま収穫し、スーパーに並んだ際もまだ青い部分が残っているトマトを見かけます。
完熟しているトマトのほうが養分もたっぷり行き渡っているためおいしいです。
重みがありどっしりしていて、形が丸い
美味しいトマトは重みがありどっしりしていて丸い形をしています。これはトマトの実に養分がしっかり行き渡り、詰まっているためです。逆にいびつな形のトマトは空洞が多く養分が行き渡っていないため、あまり美味しくありません。
グリーンベース
これはスーパーでというより栽培中の見分け方ですが、トマトの肩の部分が他の部分よりも濃い緑色をしているトマトです。水分を減らして栽培すると出やすく、甘いトマトになりやすいです。
番外編
番外編として軽度の尻ぐされ果なども見た目は悪いですがおいしいトマトです。尻ぐされ果はカルシウムの不足によって起こる生理障害です。尻ぐされ果の原因は主に水分不足により果実にカルシウムを運ぶことが出来なくなり、果実のお尻の部分が茶色く変色したり、重度のものは黒く凹んでしまいます。
特に水分ストレスを与えた高糖度トマトなどで出やすいため、見た目は悪いですが味はおいしいものが多いです。尻ぐされ果という名前ですが腐っているわけではないので、軽度のものなら食べても問題ないですし、重度でも黒い部分を取り除けば食べることが出来ます。
スーパーなどではあまり見かけませんが、農家の直売所等では割安で販売している場合があり、お得においしいトマトを食べることが出来ます。
まとめ
トマトの旬や見分け方について参考になったでしょうか?今回はトマトの基本的な見分け方について書かせていただきました。
ぜひ参考にしていただき、おいしいトマトをたくさん食べて頂ければと思います。