王様トマトって何?トマトの品種紹介!サカタ編

皆さんはスーパーなどの野菜売り場で「王様トマト」のPOPやのぼりを見つけたことはありませんか?トマトのブランドとしてはタキイ種苗の「桃太郎トマト」が有名ですが、サカタのタネにもトマトのブランドがあります。それが「王様トマト」です。

今回はサカタのタネ「王様トマト」の特徴や品種について解説したいと思います。

王様トマトとは?

王様トマトはサカタのタネから販売されているトマトのブランドです。2023年に販売開始20周年を迎えました。

王様トマトの特徴

王様トマトは肉質がしっかりしていて、赤熟収穫できるのが特徴です。通常、トマトは完熟前の少し青さが残った状態で収穫します。これは青果物の流通システムが関係しています。

トマトを含む青果物は農家によって収穫された後、まず市場に運ばれセリにかかります。(農家と市場の間に農協が入る場合もあります。)その後スーパーや八百屋などに運ばれて販売されますが、ここまでに早くて2日、地方から運ばれる場合はプラス1~3日程度かかります。そのため、完熟状態で収穫するとスーパーなどの売り場に並ぶ時には過熟になってしまいます。そこで少し青い状態で収穫し売り場に並ぶときに赤くなるように調整して出荷します。しかし青い状態で収穫するため、本来のおいしさを味わうことが出来ません。

王様トマトは果肉がしっかりしています。日持ちが良く、樹上で赤くしてから収穫することが出来るため、他のトマトに比べて美味しい状態でスーパーに並べることが出来ます。また輸送中に傷んだりする確率も低くなります。

また、「赤熟もぎり」できるためしっかりと養分を蓄えることが出来います。太陽の光をたっぷり浴びることで、強力な抗酸化作用を持ったリコピンや遊離グルタミン酸などの栄養やうま味成分を含むことが出来ます。

王様トマトの主な品種

王様トマトの品種は大きく分けて夏秋品種と春夏品種の2種類があります。

夏秋品種

「麗月」

極硬玉で日持ち性に優れていて、果形が安定し、裂果にもとても強く、秀品率が高い品種です。着果性もよく、収量性に優れています。

「パルト」

単為結果性で食味のよい夏秋栽培向き品種。肉質がよく、糖度が上がりやすいので食味が良いです。草勢は中程度で、栽培の後半までスタミナがあります。

「麗夏」

極硬玉で裂果に強く、日持ち性が極めて良い品種です。果実肩部の日焼けによる黄化が少なく、耐暑性に強いので家庭菜園などにも向いています。

春夏品種

「かれん」

黄化葉巻病耐病性で、食味の良い品種です。節間が詰まる抑制栽培に向いています。着果性がよく多収で、赤熟出荷向き大玉トマトです。

「麗妃」

黄化葉巻病耐病性があり、極硬玉で高い収量性があります。果形の安定性、食味のよさを併せ持っている、高品質で赤熟出荷向きの品種です。

「麗旬」

黄化葉巻病耐病性で、食味も良く、収量性の高い、3拍子そろった硬玉品種です。極硬玉で日持ち性にも特に優れていて、着果性もよく多収で、秀品率が高い品種です。

「麗容」

秀品率高く、硬玉で日持ちは大変良い品種です。肉質よく、コクがあり大変食味が良いです。草勢は中程度で、栽培の後半までスタミナがあるため収量性に優れています。

「ごほうび」

肉質よく、コクがあり高糖度で味はとても良いです。硬玉で非常に日持ちが良く、低温肥大性に優れている品種です。

「ハウスパルト」

単為結果性で食味のよい促成栽培向け品種です。肉質よく、糖度が上がりやすく、食味が非常に良いです。草勢は中程度で、栽培の後半までスタミナがあります。

「マイロック」

糖度と酸味のバランスがよく、コクがあり食味とても良いです。硬玉で非常に日持ちが良い品種です。

「れおん」

着果性がよく、裂果、軟化玉、黄変果が発生しにくく秀品率が高い品種です。促成・夏秋栽培の作型に最も適し、抑制栽培も可能です。

まとめ

サカタのタネが開発したブランドトマト「王様トマト」について特徴と品種をご紹介しました。

肉質がしっかりしていて日持ちが良く赤熟収穫が出来ることにより、従来のトマトに比べて美味しく栄養も多く含まれているようです。

単為結果性や黄化葉巻耐病性など栽培面での特徴や食味の良い品種も多くあり、さまざまな生産者の要求にも対応しています。

今後もより良い品種が出来ることに期待したいです。

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