甘くて美味しい!フルーツトマトの特徴と栽培方法について

贈答用などにも用いられる高級トマトの代名詞「フルーツトマト」。名前は聞いたことがあるけど、一体どんなトマトなのか詳しくは知らない方も多いと思います。今回はフルーツトマトの特徴や栽培方法などについて解説していきたいと思います。

フルーツトマトとは?

フルーツトマトはトマトの品種やブランドではなく、糖度を高める栽培方法で栽培されたトマトの総称です。高糖度トマトと呼ばれる場合もあります。一般的に糖度が8度以上あり、サイズも普通のトマトと比べると小ぶりなのが特徴です。

フルーツトマトは一般的な品種の大玉トマトを栽培する際に、様々な方法でトマトが吸収する水分量を少なして糖度が高く濃厚なトマトに仕上げています。

メリット

フルーツトマトのメリットとしてはまず食味の良さがあります。フルーツトマトはトマトにストレスを与えることで糖度を上げるため、甘くておいしいトマトをつくることが出来ます。

また販売面では、食味の良さや栽培方法などを前面に押し出すことで、他のトマトとの差別化ができるため高単価での販売がしやすくなります。

デメリット

デメリットとしては水分量を少なくすることにより、トマトのサイズが小さくなるため、一般的な栽培方法に比べて収穫量が少なくなります。

また、水分コントロールの影響で果皮が固くなり、好みにもよりますが、人によってはえぐみを強く感じる場合があります。

フルーツトマトの栽培方法

フルーツトマトの栽培方法としては、土耕栽培で潅水の量を減らす方法や、養液栽培の際に肥料の濃度を濃くすることで塩類濃度を上げて、トマトが吸収できる水分量をコントロールする方法などが多いです。

水分量をコントロールするため、基本的には雨などの影響を受けにくい温室やビニールハウスなどで栽培されます。

土耕栽培

土耕栽培でフルーツトマトを栽培する場合、基本的にはトマトに水分ストレスを与えて吸収できる水分量を少なくします。

土壌水分の管理ができる環境を整える必要があり、温室やビニールハウスなどの設備を使って雨の影響を排除します。温室栽培では屋根があることで中央部分は雨の侵入を抑えることが出来ますが、温室の側面に近い部分は地中にしみ込んだ水分が温室内の作物に影響を及ぼすことがあります。そのため温室の外部に防水シートを敷くなどの対策をして、温室内への水の侵入を防ぐことが必要です。

また、土耕栽培の場合は土地などの影響も受けやすいです。水捌けが良い土壌の場合は水分管理を行いやすいですが、田んぼからの転作などの場合は水はけが悪いことが多くフルーツトマトの栽培に適していない場合があります。

根域制限栽培

根域制限栽培も土耕栽培の一種です。土壌に防根透水シート(水分は通すが根は通さないシート)を埋設して根域を制限します。根域を制限することで水分管理をしやすくし、潅水量を減らすことで水分ストレスを与えます。

人工的に水分管理のしやすい条件を作ることが出来ますが、数年に1度はシートの埋め替えを行わないといけないため、労働力を必要とします。

塩トマト

塩トマトは熊本県八代地域で作られている高糖度トマトです。栽培方法としては通常の土耕栽培ですが、干拓地で栽培されているため土壌の塩類濃度が高く、トマトが水分を吸い上げることが出来ないため、高糖度のトマトを栽培することが出来ます。

養液栽培

養液栽培でフルーツトマトを作る場合、固形培地(ロックウールやヤシ柄培地など)の場合は土耕栽培の根域制限と同じように潅水量の管理で糖度を上げていきます。

水耕栽培の場合は潅水する際に混ぜる液肥の濃度を高くし、浸透圧を上げることで吸収できる水分量を制限し、高糖度トマトに育てます。

まとめ

フルーツトマトの特徴や栽培方法についてお分かり頂けたでしょうか?フルーツトマトはこだわりを持って栽培している生産者さんが多く、ここで紹介した以外にも様々な栽培方法があります。

トマトを選ぶときは栽培方法や生産者さんのこだわりなども考慮して選んでみるのも面白いと思います。

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