ロックウールって何?トマトの栽培方法と特徴について

近年栽培技術の進歩により色々な栽培方法が用いられているトマト。昔ながらの土耕栽培はもちろん、ロックウール栽培や水耕栽培など土を使わずに栽培する方法も増えてきています。

ここではトマトの様々な栽培方法と特徴について解説していきたいと思います。

土耕栽培

最もポピュラーな栽培方法です。トマトの苗を土に直に植えるため、栽培コストを安くすることが出来ます。

養液栽培と比べると初期投資は少なくて済みますが、直接土に植えるため元の土壌の性質に影響されやすく、栽培を安定させるのが難しいです。また、連作障害などの土壌病害虫の問題もあります。

養液土耕栽培

通常の土耕栽培は元肥を中心にした施肥設計を行い、補助的に追肥を行いますが、養液土耕栽培は元肥の量を少なくして追肥を中心に施肥し栽培します。

追肥中心なので、成長具合を見ながらトマトが「今、この瞬間」求めている肥料を適時与えて栽培します。トマトが求めている肥料を小分けに与えることで、肥料の過剰や不足を回避することが出来るため、通常栽培より肥料の量を少なく抑えることが出来、生育のコントロールがしやすくなります。

根域制限栽培

通常の土耕栽培は土壌に直接トマトの苗を定植しますが、根域制限栽培は土壌に防根透水シート(根は通さないが、水分は通すシート)を埋設することで、水分管理を容易にする栽培方法です。

水分量のコントロールが出来るため、フルーツトマトの栽培などに用いられています。

塩トマト

熊本県八代市で栽培されているトマトで、干拓地を利用して栽培されています。塩分濃度が高い土壌で栽培することで、トマトに水分ストレスを与え糖度の高いトマトを栽培しています。

養液栽培

畑の土を使わずに専用の培土やロックウールなどの固形培地に定植する方法や、固形培地は使わずに肥料を混ぜた水のみで栽培する水耕栽培などがあります。

畑の土を使わないため連作障害の対策がしやすいです。栽培のコントロールもしやすいため、味重視や収量重視など経営方針で差をつけやすいのが特徴です。

ロックウール

ロックウール培地は土耕栽培の次にポピュラーな栽培方法です。玄武岩などの天然岩石が原料で断熱材などにも利用されていて、海外でも多く使用されています。

排水性が良く水持ちもいいため、栽培のコントロールがしやすく、収量が安定しやすいです。

ヤシガラ培地

ヤシの実の繊維などを使った培地で栽培する方法です。ヤシガラは有機物のため畑などにしばらく放置すれば分解するため収穫後の処理が容易です。

栽培も安定しやすく、ロックウールからヤシガラに変更する農家さんも増えています。

ポット栽培

培地にポットを使い少量培地で栽培する方法です。培地の量が少ないため、栽培コントロールがシビアですが、上手く管理すれば高品質のトマトが栽培できます。

袋栽培

袋に培土を入れて、そこにトマトを定植する栽培方法です。最近では袋栽培専用の培土も販売されています。

水耕栽培

培地を使わず養液を含んだ水を使って栽培する方法です。根域を完全に水に漬けるDFT方式や、根の先端のみを水に漬けるNFT方式などがあります。

DFT

湛液型水耕とも言います。根域全体を養液に漬けて栽培するシステムです。根域全体が水につかっているため、温度や肥料濃度などの変化が緩やかになるので栽培管理が容易になります。

NFT

薄膜水耕とも言い、傾斜のついた栽培ベッドに薄く養液を流し、根の先端部分のみを水に漬けて、根の上部は酸素を供給させるシステムです。

まとめ

トマトの栽培方法について解説してきましたが、如何だったでしょうか?ここで挙げたもの以外にも様々な栽培方法がありますし、栽培方法に応じて味や収量にも差が出てきます。これからトマトの栽培を考えている方は、それぞれのメリットやデメリットを考慮して選んでみてください。

また、トマトを直売所などで購入される際は、生産者さんにどんな方法で栽培しているのか聞いてみると面白いかもしれません。

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