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トマトとナスは相性抜群!定番・世界の料理10選とナスの栄養を農家が解説

トマトとナスのレシピ

夏になると旬を迎えるトマトとナス。

どちらも家庭菜園や直売所でおなじみの夏野菜ですが、収穫や購入が重なると、

「トマトとナスを一緒に使える料理はないかな」

と考える方も多いのではないでしょうか。

トマト農家である我が家では、夏になると傷があり出荷できないナスが増えるため、ナスを食べない日はほとんどありません。

ナスだけで作る料理では、ナスの煮浸しや麻婆ナスが特に好きです。一方、トマトと合わせた料理も非常においしく、夏になると炒め物や煮込み料理、パスタなど、さまざまな形で食卓に登場します。

トマトとナスは、炒め物、煮込み料理、パスタ、カレー、揚げ浸しなど、和洋を問わず組み合わせやすい食材です。

トマトの酸味とうま味をナスが吸い込み、ナスの柔らかな食感と油のコクを、トマトがさっぱりとまとめてくれます。

この記事では、トマトとナスの相性がよい理由をはじめ、家庭で作りやすい定番料理5選と、世界で親しまれている代表的な料理5選を紹介します。

後半では、ナスニン、カリウム、食物繊維など、ナスに含まれる栄養成分や、暑い季節にナスを食べる利点についても解説します。

目次

トマトとナスはなぜ相性がよい?

トマトとナスの相性がよい理由

トマトとナスは、どちらも植物学的にはナス科に分類されます。

ただし、同じナス科だから必ず料理として相性がよい、という科学的根拠があるわけではありません。

トマトとナスの相性がよい主な理由は、トマトの水分・酸味・うま味と、ナスの柔らかな果肉や味を吸収しやすい性質が補い合うことにあります。

トマトのうま味をナスが吸い込む

ナスの果肉には細かな隙間が多く、スポンジのように油や調味液を吸収します。

そのため、トマトを加熱して出てきた果汁や、トマトソースのうま味を含ませる料理に向いています。

ラタトゥイユやトマト煮込みがおいしいのも、ナスがトマトの味を内部まで吸い込むためです。

一方、ナスは油も吸いやすいため、多量の油で炒めると重たい味になりがちです。

そこへトマトを加えると、酸味と水分によって後味が軽くなり、夏でも食べやすい料理になります。

加熱するとトマトの酸味がまろやかになる

生のトマトには、品種や熟度によってはっきりとした酸味があります。

加熱すると水分が飛び、酸味の角が取れて、甘みとうま味を感じやすくなります。

そこへ油を含んだナスを合わせることで、トマトだけでは出しにくい、まろやかなコクが加わります。

特に、樹上でよく熟したトマトや加熱調理向きのトマトを使うと、ソースに濃厚なうま味が出やすくなります。

油との相性がよい

ナスは油と組み合わせることで、柔らかく濃厚な食感になります。

また、トマトに含まれるリコピンは脂溶性の成分であるため、油と一緒に調理することで体内に吸収されやすくなるとされています。

その意味でも、

  • トマト
  • ナス
  • オリーブオイルや植物油

という組み合わせは、味と栄養の両面で取り入れやすい調理法です。

ただし、ナスは油を非常によく吸います。

油の量を抑えたい場合は、ナスを電子レンジで下加熱してから少量の油で焼く方法や、表面に薄く油を絡めてから加熱する方法がおすすめです。

トマトとナスを使った定番料理5選

まずは、日本の家庭でも作りやすい定番料理を紹介します。

ここでは細かな分量や調理工程ではなく、それぞれの料理の特徴や、おいしく作るためのポイントを簡単に解説します。

トマトとナスを使った定番料理5選

1.ナスとトマトのチーズ焼き

輪切りや乱切りにしたナスとトマトに、チーズをのせて焼くシンプルな料理です。

ナスはトマトよりも火が通るまでに時間がかかるため、先にフライパンや電子レンジで加熱しておくと、仕上がりを合わせやすくなります。

トマトの酸味、ナスの柔らかさ、チーズの塩気とコクがまとまり、子どもから大人まで食べやすい味になります。

ベーコン、ひき肉、ツナ、玉ネギなどを加えれば、主菜としても十分なボリュームになります。

大量のトマトやナスを消費したいときにも作りやすい料理です。

2.ナスとトマトの夏野菜カレー

ナスとトマトは、カレーとの相性も抜群です。

トマトを加えることで、一般的なカレーよりも酸味があり、夏でも比較的さっぱりと食べられます。

ナスは煮込みすぎると形が崩れやすいため、別のフライパンで焼いてから仕上げに加えると、ナスの存在感を残せます。

反対に、ナスをとろとろになるまで煮込めば、カレー全体にまろやかなコクが加わります。

ひき肉を使ったキーマカレー、鶏肉のカレー、豆を使った野菜カレーなど、さまざまな種類に応用できます。

傷があったり、少し形が悪かったりするトマトやナスでも使いやすいため、農家としてもありがたい料理です。

3.ナスのトマトソースパスタ

焼いたナスをトマトソースに加える、定番のパスタです。

ニンニクとオリーブオイルでナスを炒め、トマトを加えて軽く煮込むだけでも作れます。

生の完熟トマトを使うと、軽く爽やかな味になります。トマト缶やトマトペーストを使うと、水分が少なく、より濃厚な味に仕上がります。

粉チーズ、モッツァレラチーズ、バジル、オレガノなどを加えると、よりイタリア料理らしい風味になります。

ナスにトマトソースをしっかり吸わせることで、肉を使わなくても満足感のあるパスタになります。

4.ナスとトマトの揚げ浸し

油で揚げたり、揚げ焼きにしたりしたナスとトマトを、だし醤油やめんつゆに浸す和風料理です。

ナスはだしをよく吸い、トマトの酸味が加わることで、一般的なナスの揚げ浸しよりもさっぱり食べられます。

ショウガ、大葉、ミョウガ、ネギなどの薬味ともよく合います。

温かい状態でも食べられますが、冷蔵庫で冷やすと味がなじみ、暑い日の副菜としてさらに食べやすくなります。

我が家でもナスの煮浸しはよく食べますが、トマトを加えると酸味が加わり、また違った味わいを楽しめます。

5.ナスとトマトの豚肉炒め

ナスとトマトに豚肉を加えれば、ご飯に合う主菜になります。

味付けは、醤油、味噌、オイスターソース、ポン酢など、和風にも中華風にもアレンジできます。

トマトは炒めすぎると水分が出て形が崩れるため、ナスと豚肉に火が通ってから、最後に加えるのがポイントです。

トマトの形をある程度残したい場合は、強火で短時間だけ炒めます。

反対に、トマトをソースのように仕上げたい場合は、早めに加えて煮崩してもよいでしょう。

麻婆ナスが好きな方なら、麻婆ナスに角切りのトマトを加えるアレンジもおすすめです。辛さや油の重さが少し和らぎ、夏向きの味になります。

世界で親しまれているトマトとナスの料理5選

トマトとナスの組み合わせは、日本だけでなく、地中海沿岸や中東を中心に世界各地で使われています。

ここからは、トマトとナスを使った代表的な海外料理を紹介します。

世界で親しまれているトマトとナスの料理5選

1.ラタトゥイユ|フランス

ラタトゥイユは、フランス南部のプロヴァンス地方を代表する野菜料理です。

ナス、トマト、ズッキーニ、パプリカ、玉ネギなどの夏野菜を、オリーブオイルやハーブとともに煮込みます。

作りたてを温かいまま食べるだけでなく、冷やして副菜にしたり、パスタやパンに添えたりすることもできます。

野菜から出る水分を利用して煮込むため、完熟したトマトをたっぷり消費したいときにも向いています。

トマトやナスが一度に大量に採れる夏には、農家にとっても作りやすい料理です。

2.パスタ・アッラ・ノルマ|イタリア・シチリア

パスタ・アッラ・ノルマは、揚げたナス、トマトソース、バジル、リコッタ・サラータと呼ばれる塩味のあるチーズを組み合わせた、シチリアの代表的なパスタです。

ナスの濃厚なコクをトマトソースの酸味がまとめ、チーズの塩気が味を引き締めます。

日本ではリコッタ・サラータが手に入りにくいため、粉チーズ、ペコリーノ、パルメザンなどで代用しても楽しめます。

日本でよく作られているナスのトマトソースパスタの原型ともいえる料理です。

3.ムサカ|ギリシャ

ムサカは、ナス、ジャガイモ、ひき肉のトマトソース、ベシャメルソースなどを層状に重ねて焼く料理です。

日本の料理でいえば、ナスのミートグラタンに近い食べやすさがあります。

ひき肉のトマトソースには、シナモンやナツメグなどの香辛料を使うこともあり、日本のミートグラタンとは少し異なる、奥深い香りを楽しめます。

工程はやや多いものの、ボリュームがあり、トマトとナスを使った主菜を作りたいときに向いています。

4.イマム・バユルドゥ(坊さんの気絶)|トルコ

イマム・バユルドゥは、ナスに玉ネギ、ニンニク、トマトなどを詰め、オリーブオイルでじっくり煮込むトルコの伝統料理です。

日本では、料理名の意味から**「坊さんの気絶」**とも呼ばれています。

名前の由来には諸説ありますが、

「あまりのおいしさに坊さんが気絶した」

という逸話が特に有名です。

肉を使わない料理でありながら、ナスがトマトのうま味とオリーブオイルをたっぷり吸い込み、とろけるような食感と濃厚な味わいに仕上がります。

日本ではまだあまり知られていませんが、料理名のインパクトも強く、トマトとナスを使った世界の料理として一度は紹介したい一品です。

5.ナスのパルミジャーナ|イタリア

ナスのパルミジャーナは、揚げたり焼いたりしたナス、トマトソース、チーズを重ねてオーブンで焼く料理です。

日本でいうナスとトマトのチーズ焼きに近い料理ですが、ナスとソースを何層にも重ねることで、ラザニアのような食べ応えが生まれます。

ひき肉を使わなくても、油を含んだナス、濃厚なトマトソース、チーズの組み合わせによって、十分なコクと満足感があります。

ナスを主役として味わいたい方におすすめの料理です。

ナスに含まれる主な栄養成分

ナスに含まれる主な栄養成分

ナスは水分が多く、カロリーが比較的低い野菜です。

ニンジンやホウレンソウのように、多量のβ-カロテンや鉄を含む緑黄色野菜ではありません。

一方で、ナスの皮に含まれるナスニンや、カリウム、食物繊維、ナス由来コリンエステルなどが注目されています。

ナスニン

ナスニンは、ナスの皮に含まれる紫色の色素成分です。

ポリフェノールの一種であるアントシアニン系色素に分類され、抗酸化作用について研究されています。

ナスニンは主に皮に含まれるため、栄養を無駄なく取り入れたい場合は、皮をむかずに調理するのが基本です。

皮の色が濃く、張りやツヤがあるナスは、料理の見た目もきれいに仕上がります。

ただし、ナスニンを食べれば特定の病気を予防できる、眼精疲労が治るといった断定はできません。

あくまで、野菜から摂取できるポリフェノールの一つとして考えましょう。

カリウム

カリウムは、体内のナトリウムを排出する働きに関わるミネラルです。

汗を多くかく夏は、水分だけでなくミネラルも失われるため、ナスやトマトを含む、さまざまな野菜や食品から補うことが大切です。

ただし、ナスやトマトだけを食べれば、夏に必要な水分やミネラルをすべて補えるわけではありません。

また、腎臓病などでカリウム制限を受けている方は、医師や管理栄養士の指示に従ってください。

食物繊維

ナスにも食物繊維が含まれています。

ナスだけで大量の食物繊維を摂取できるわけではありませんが、トマト、豆類、キノコ類、海藻類、ほかの野菜などと組み合わせれば、日々の摂取量を補えます。

ナスとトマトの煮込み料理に、豆やキノコを加えるのもおすすめです。

料理のボリュームが増えるだけでなく、さまざまな種類の食材を一緒に食べられます。

ナス由来コリンエステル

ナスには、コリンエステルの一種であるアセチルコリンが比較的多く含まれることが知られています。

近年は、ナス由来コリンエステルを含む食品と、血圧や気分との関係について研究が行われています。

この研究成果を利用した機能性表示食品も販売されています。

ただし、すべてのナスを毎日一定量食べれば、必ず血圧が下がるという意味ではありません。

機能性表示食品の効果は、対象となる商品に含まれる成分量や、届け出られた摂取条件に基づいて表示されています。

一般的なナス料理について、同じ効果を断定するのは避けた方がよいでしょう。

トマトの栄養素についてはこちらの記事

ナスは水にさらさない方がよい?

ナスを切った後、水にさらしてアク抜きをする方法は、昔から行われています。

一方、現在流通しているナスは比較的アクが少なく、切ってすぐ加熱する料理なら、必ずしも水にさらす必要はありません。

水にさらすと変色を抑えられる利点がありますが、水溶性の成分が一部流出する可能性もあります。

料理に応じて、次のように使い分けるとよいでしょう。

  • 炒め物や揚げ物は、切ってすぐ加熱するなら水にさらさなくてもよい
  • 見た目の変色を抑えたい場合は、短時間だけ水にさらす
  • 漬物などは、作る料理の手順に合わせてアク抜きをする
  • 切ってから長時間放置しない

水さらしは絶対に必要、あるいは絶対にしてはいけないと考えるのではなく、料理の目的に合わせて判断するのが現実的です。

夏にトマトとナスを食べる利点

トマトとナスは水分が多く、暑い時期でも比較的食べやすい野菜です。

煮込み、焼き物、炒め物、冷製料理などに使えるため、夏の食欲が落ちた時期にも献立へ取り入れやすい特徴があります。

水分の多い夏野菜を食事に取り入れられる

ナスもトマトも水分を多く含んでいます。

暑い日に、冷やしたトマト、ナスの揚げ浸し、ラタトゥイユ、冷製パスタなどを献立に加えれば、食事からも水分を取れます。

ただし、野菜を食べるだけで熱中症対策に必要な水分や塩分をすべて補えるわけではありません。

暑い日は水やお茶などを適切に飲み、大量に汗をかいた場合は塩分も補給しましょう。

トマトの酸味で食べやすくなる

トマトの酸味は、油を使ったナス料理をさっぱりと仕上げてくれます。

揚げ浸し、冷製パスタ、マリネ、トマト煮込みなど、冷やしてもおいしい料理が多い点も、夏に向いている理由です。

暑さで食欲が落ちているときでも、トマトの酸味がある料理なら比較的食べやすく感じられます。

旬の野菜をまとめて消費できる

家庭菜園や農家では、トマトとナスが同じ時期に次々と収穫できます。

特に夏は、少し傷があったり、形が悪かったりして、販売には向かないナスが出ることもあります。

味に問題がなければ、家庭で食べる分には十分利用できます。

ラタトゥイユ、カレー、トマトソース、炒め物などにすれば、見た目を気にせず、一度に多くのトマトとナスを使えます。

料理を冷蔵保存したり、小分けにして冷凍したりすれば、収穫が集中したときの食品ロス削減にも役立ちます。

トマトとナスの保存方法

すぐに使い切れない場合は、それぞれの性質に合わせて保存しましょう。

トマトの保存

まだ青みが残っているトマトや、収穫直後で果肉が硬いトマトは、常温で少し追熟させることができます。

十分に赤く熟したトマトは、ヘタ側を下にし、キッチンペーパーなどで包んでポリ袋に入れ、野菜室で保存します。

ただし、トマトは冷やしすぎると風味を感じにくくなるため、食べる少し前に冷蔵庫から出しておくのもおすすめです。

トマトの保存方法についてはこちらの記事でも紹介しています。

ナスの保存

ナスは低温と乾燥が苦手です。

表面の水分を拭き、キッチンペーパーなどで包んでポリ袋に入れ、野菜室で保存します。

冷やしすぎたり、長期間保存したりすると、種や果肉が黒く変色することがあります。

ナスは収穫後も水分が抜けやすいため、できるだけ新鮮なうちに食べるのがおすすめです。

長期保存したい場合は、丸ごと冷凍したり、加熱してから冷凍したりする方法もあります。

冷凍したナスは、生のような張りのある食感には戻りませんが、炒め物、煮込み、味噌汁、カレーなどの加熱料理には使えます。

まとめ

トマトとナスは、夏に収穫時期が重なり、味や調理特性の面でも組み合わせやすい食材です。

トマトの酸味とうま味をナスが吸収し、ナスの油のコクをトマトがさっぱりとまとめてくれます。

家庭で作りやすい定番料理としては、

  • ナスとトマトのチーズ焼き
  • ナスとトマトの夏野菜カレー
  • ナスのトマトソースパスタ
  • ナスとトマトの揚げ浸し
  • ナスとトマトの豚肉炒め

などがあります。

海外にも、

  • ラタトゥイユ
  • パスタ・アッラ・ノルマ
  • ムサカ
  • イマム・バユルドゥ(坊さんの気絶)
  • ナスのパルミジャーナ

など、トマトとナスを使った料理が数多くあります。

ナスには、食物繊維、カリウム、ナスニンなどが含まれています。

ただし、特定の栄養成分だけに過度な健康効果を期待するのではなく、トマト、肉、魚、豆、ほかの野菜などと組み合わせ、バランスよく食べることが大切です。

我が家でも、夏は傷があり出荷できないナスが増えるため、ナスを食べない日はほとんどありません。

ナスの煮浸しや麻婆ナスもおいしいですが、トマトと組み合わせることで、酸味、うま味、コクのバランスが変わり、料理の幅がさらに広がります。

トマトとナスがたくさん手に入った日は、まずはチーズ焼きや豚肉炒めなど、作りやすい料理から試してみてください。

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